研究最終年度にあたる2006年度は、研究報告書の作成を目指して、基礎資料の調査と収集を中心にひきつづき調査研究を実施した。調査にあたっては、琉球大学附属図書館、沖縄県立図書館、沖縄県立公文書館、那覇市歴史博物館などの諸機関において、史料閲覧などの便宜を得ることができた。その結果、以下の構成内容からなる研究報告書を2007年3月末日に刊行することができた。 研究報告書『近代沖縄における自由教育運動の思想と実践に関する基礎的調査研究 付『沖縄教育』(1906-1944年)』の内容構成は概略以下のとおりである。 第I部 基礎的調査研究編 一 課題と方法(1)教育史学における自由教育運動史研究 (2)沖縄の自由教育運動史に関する研究 二 先行研究の検討 三 史料(1)『沖縄教育』に関する書誌学の展開 (2)『沖縄教育』所蔵状況調査の結果 四 沖縄における自由教育運動の思想と実践-『沖縄教育』を中心に- 五 おわりに-研究の成果と展望-(1)本研究の知見 (2)今後の展望 第II部 基礎史料編 一 所蔵状況 (1)『沖縄教育』所蔵状況一覧 (2)確認できる『沖縄教育』一覧(2007年3月31日現在) 二 目次集成 第I部では、本研究の課題と方法および史料状況などにかかわる基礎的調査の成果を提示した。第n部では、近代沖縄教育史を分析するうえでの基礎史料である雑誌『沖縄教育』(1906〜1944年)の目次集成を試みた。 本研究の成果によって、1920年代を中心とした沖縄における自由教育運動の実態史について、具体的な歴史像を描くための基礎的な調査が完了したといえる。また、本研究の付属的な成果として、雑誌『沖縄教育』についての書誌学的調査は、従前までの水準を超えるものとなった。
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