本年度は、まず組織アイデンティティ/アイデンティフィケーションに関する組織論や社会心理学における先行研究を検討した。個人が組織に対してもつ認識のあり方や組織との同一化のあり方をとらえ、特に、子どもや学校組織を対象にする場合と一般企業を対象とする場合とを比較検討し、学校を対象とする場合のポイントを明確にしたうえで、調査票を開発した。 調査票の作成においては、これまで研究してきた教育経営・学校経営ならびに組織論、学習心理学・社会心理学研究の成果を参考にして、本研究の中核となる調査票の開発・作成を行った。 具体的な調査内容は、(1)基本的属性(学年、性別、高校の選択理由等)、(2)学習意欲に関する調査項目(学校での勉強の好き嫌い、教科等の好き嫌い、授業のわかりやすさ等)、(3)生徒から見た学校組織(学校の特色の認識、学校への他者評価の認識、学校観等)、(4)学校への同一化(学校に通うことへの意識、教師や友人との人間関係、在校生としての意識等)などとなった。自由記述についても、学校の特色の認識や、同一化等に関した項目を設定した。 調査手法は、四国内の公立高校すべてを対象に(定時制・通信制・分校を除く)、普通科・専門学科・総合学科を問わず調査の依頼を行なった。そのうえで承諾の得られた高校の生徒を対象として、質問紙調査を行った。配布・回収は郵送をもって行った。 分析については、調査の承諾が得られた高校が予想を超え、8000サンプルを超えた調査となったため、アンケート入力に多大な時間がかかり、次年度へ持ち越すこととした。
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