・自治体が先進的な教育政策を展開することを可能にする要因を析出した。特に教育委員会事務局幹部のうち教職・学校管理職・教育行政を全て経験した職員が自治体教育改革を展開する上でのキーパーソンであるとの認識に立ち、志木市の教育委員会事務局幹部経験者に対して重点的インタビューを行い、教職・学校管理職・教育行政の経験が教育政策の立案・実施に対してどのような影響を与えているのかについて検討を行った。インタビューは5回実施し、インタビュー対象者の生い立ちからインタビュー実施時点までの長期間にわたる情報を得ることができた。 ・政令指定都市が先進的な教育政策を実施している傾向が見受けられるため、政令指定都市の教育政策に関する情報収集を行った。具体的には福岡市、北九州市、大阪市の予算、教育政策に関する統計、行政資料を収集した。これと同時に福岡県、大阪府の行政資料も収集し、都道府県と政令指定都市の関係についても考察する材料を得た。 ・都道府県については、上記政令指定都市を包摂する府県のほか、山形県、三重県で資料収集あるいはインタビュー調査を行った。山形県については前年度に論文としてまとめた少人数学級編制政策のその後の動向について教育委員会関係者から状況を聴取した。三重県については、全国に先駆けて導入された政策評価システムが教育政策においてどのように活用されているのか、とくに評価のための指標がどのように設定されているのかを実務担当者に対してインタビュー調査を行った。
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