本年度は新卒派遣の実態を明らかにするために、以下の作業を実施した。 1)昨年度に実施した人材派遣会社に対する新卒派遣の実態に関する質問紙調査を分析、考察しまとめを行った。 2)人材派遣会社調査を補うために、人材派遣会社を利用している大学生に対するインタビュー調査を事例的に行った。 3)新規大卒者の職業への移行に関する海外の状況を知るために、外国出張もあわせて行った。 特に1)および2)の結果については、教育社会学会で研究発表を行い、さらに考察を深めて最終的には学術誌の『大学論集』に論文をまとめた。 来年度は最終年度にあたるため、派遣学生を受け入れている企業に対する考察を行い、同時に企業が新規大卒者のうち、正規社員、派遣社員に、そして中途採用者に対していかなる能力を期待しており、また実際にどのような評価を下しているのかを明らかにし、新規大卒者の移行形態の将来だけでなく、各移行形態に別に何が求められているかを析出し、今後の大学教育へのインプリケーションを得たい。
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