研究概要 |
本研究の目的は、読書指導研究を進展させていくために、研究に用いることのできる読書診断力テストを開発することである。 今年度は、昨年度入手したリテラシー・読書力評価(特に研究上用いられるテスト・評価法)について分析をした後、我が国の読書指導研究の進展にどのように役立てていくか、試案を学会で発表した。 具体的には以下のことを行った。 (1)昨年度収集した読書力評価のうち特にアメリカのものを分析し、第108全国大学国語教育学会(山梨大学)で発表した。 (2)分析途中であったオーストラリアのDART(Developmental Assessment Resource for Teachers)の分析を終了し、論文として『人文科教育学研究』第32号に発表した。 (3)米国読書会議に出席し、アメリカにおけるリテラシー・読書力テストや読書力評価法の収集を継続するとともに、CPS(Chicago Public Schools)のさまざまな学校を訪問し、そこで使われているテスト・評価について調査を行った。また,教員や読書指導研究者に対してこれらのテスト・評価法の利用状況の聞き取り調査を行った。 (4)我が国の教師が行うことのできる読書力評価について、新潟県国語教師の会合に出席して、我が国の読書指導研究に役立つ形を提案したり、論文を執筆したりした。 (5)IEA(International Association for the Evaluation of Educational Achievement)による国際読書力テストPIRLS(Progress in International Reading Literacy Study)の分析を進めている。来年度には論文としてまとめる予定である。
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