研究概要 |
中学校技術・家庭科技術分野(以下,技術科)の目標において生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てることが掲げられている。その目標を実現するためには,生徒の学習内容に対する意識や態度等に関する事柄についても着目した授業実践が必要だと考えられる。また,生徒の意識や態度に注目し,生徒の内的状態を把握する試みは,技術科の学習指導に関するカリキュラムや教材開発,評価法の検討について有益な資料になると思われる。 本研究は,生徒の学習内容に対する意識や態度に着目した学習指導を行うために,教師が生徒理解を積極的に試み,有機的に実践することを目的として取り組んだ。 初年度である平成16年度は,技術科に内容のうち「情報とコンピュータ」に関する学習内容に対して学習者が抱く意識や,これまでの体験について実態調査を行った。その結果,生徒はコンピュータをはじめとした情報機器の利用方法については高い割合で知識や技能を習得している反面,情報倫理に関する内容や情報機器のしくみについての内容に関する理解や意識の向上が課題であることが明らかとなった。 また,生徒への意識調査と平行して,「情報とコンピュータ」に関連する意識について,生徒と学習指導にあたる教師の差を比較することを目的として教師の情報倫理に関する意識調査を行った。その結果,教師は情報倫理について「主観的判断」を求めるクラスターと「客観的判断」を求めるクラスターに分類できることが明らかになった。
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