研究概要 |
中学校技術・家庭科技術分野(以下,技術科)の目標において生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てることが掲げられている。その目標を実現するためには,生徒の学習内容に対する意識や態度等に関する事柄についても着目した授業実践が必要だと考えられる。また,生徒の意識や態度に注目し,生徒の内的状態を把握する試みは,技術科の学習指導に関するカリキュラムや教材開発,評価法の検討について有益な資料になると思われる。 本研究は,生徒の学習内容に対する意識や態度に着目した学習指導を行うために,教師が生徒理解を積極的に試み,有機的に実践することを目的として取り組んだ。 平成17年度は,「情報とコンピュータ」に関する学習指導について検討を行い,小学4年生から高等学校3年生までの情報倫理に関する意識及び経験に関する実態調査を行った。また,教材開発としてロールプレイングやワークショップを用いた学習教材の開発を試みた。 情報倫理に関する横断的調査によると,小学生高学年よりインターネット利用の用途が増え,情報社会の影の部分への接触も増加することから早期の情報倫理教育の必要性を指摘することができた。また,調査に基づき,児童・生徒が主体的に学習を進めることができる教材の開発を目指し,寸劇形式のロールプレイとRPG(ロールプレイングゲーム)を用いた教材開発を試みた。RPGによる教材では,コンピュータウイルスや電子商取引の注意点など情報倫理に関する学習内容を仮想的に体験し,情報社会に参画する態度を育成することを目指した。さらに,個人情報に関する学習指導についても検討を行い,スライド制作のワークショップを通した学習教材の開発を行った。
|