研究概要 |
【資料調査等】 本年度は研究計画に基づいて、以下の3点の作業を中心に行った。 第1に、『文部省年報』等公的文書および当時出版された多くの受験手引書の調査に基づき、「文検国語科」の制度的骨格の把握に努めた。受験手引書については、神戸大学発達科学部に所蔵図書の調査により、多数の資料を閲覧および複写をすることができた。 第2に、受験雑誌『文検世界』『受験と学生』や教育雑誌『教育時論』『教育報知』『教育学術界』『日本之小学教師』等の調査を実施し、試験問題および試験委員に関する情報の収集を行った。雑誌記事については、今回購入した『教育関係雑誌目次集成』(日本図書センター)等の利用により、適切な収集活動が可能となった。 第3に、国立国会図書館等の調査により、これまであまり知られていない資料の発掘に努めた。とくに『日本文学』(日本文学研究社、1931-1935年)『国漢研究』(名古屋国文学会、1929-1936年)の二つの雑誌は、戦前期における「文検国語科」受験者たちが自主的に形成した学習サークルの実態を示す貴重な資料であり、今後の研究に生かされるものと考えている。 【学会発表等】 (1)第107回 全国大学国語教育学会 自由研究発表 (主催:全国大学国語教育学会,於鹿児島大学,2004年10月16日) 題目:「文検国語科」の研究 (2)地域交流イベント「ちいきりんりん」教員研究発表会 (主催:鳥取大学地域学部地域教育学科他,於鳥取県民文化会館,2005年3月15日) 題目:戦前の「国語科」教員-「文検国語科」からみえてくるもの
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