研究概要 |
本研究は特別支援教育コーディネーターの役割を明確化し,通常学校の校内支援体制を構築していくために必要な研修用テキストの開発を行うことを目的として行われた。今年度は,初年度に行われた特別支援教育に関する通常学級教員向けの理解啓発CD-ROMの活用状況を把握すると共に,特別支援教育コーディネーターの役割に関する研究調査および論文執筆を行った。具体的には,(1)英国のインクルージョン教育の実践およびインクルージョン教育の中でのコーディネーターの位置づけについて,平成16年度の調査をもとに論文を執筆し,その成果が「特別支援教育の理論と方法」(大沼直樹編著・培風館・187-199ページ)に掲載された。また,(2)英国の自閉症学校や特別学校を視察し,特別学校が地域の小・中学校をどのように支援しているのか,および特別学校にいる特別支援教育コーディネーターの役割について聞き取り調査を行った。この調査から,地方教育当局と特別学校の役割を明確にし,地域の小・中学校が支援サービスを選択できるシステムを構築することの重要性が浮き彫りになった。この調査研究の成果を平成18年度中に「英国インクルージョン教育の実践的課題」として論文を投稿するために,関運資料を収集し,分析および執筆を進めている。 研究課題最終年度の18年度は通常学校の教員が軽度発達障害等の特別な支援を必要としている子どもをどのように理解し,どのように支援していけばよいかがわかるテキストの開発を検討している。
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