研究概要 |
本年度は、ろう幼児を対象とした手話教材を作成するにあたり、その基礎資料となるすでに作成されている内外の手話教材を収集し、あわせて、教材の使い方や評価の方法などについてインタビュー調査を行った 7月には、今まで行ってきた手話獲得研究と手話から書記言語への移行についての指導に関する研究の成果を、ベルギーで開かれたThe 18th Biennial meeting of the International Society for the Study of Behavioral Developmentでポスター発表をし、発達心理学や心理言語学関係の研究者と研究に関する情報交換と打ち合わせを行った。また、11月には、アメリカ、ワシントンにあるGallaudet University, Kendall School for the DeafとMaryland school for the deaf, Frederick campusという手話を早期から導入しているバイリンガル教育を掲げた2つのろう学校を訪問し、手話プログラムとビデオ教材に関わる資料を収集した。また、聾学校教員や教材開発担当者にインタビュー調査を行い、わが国で手話教材を作成する上で必要な情報を収集した。両校では、幼児期に手話を獲得させ、学齢期以降英語の読み書きにつなげていくバイリンガル教育が行われており、手話に関わるビデオ教材や家庭での読み聞かせを支援するプログラムが実践されており、関係者にインタビュー調査を行った。さらに、手話教材を作成する前に、幼児期から手話を導入している聾学校幼稚部在籍児の手話能力を調査した。その結果、手話の力には個人差が大きいが、幼稚部担当の教員の声として、手話獲得を促進させるような教材を求めていることが明らかになった。
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