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2005 年度 実績報告書

多様体上の等角構造とクライン群の変形空間のトポロジー

研究課題

研究課題/領域番号 16740032
研究機関名古屋大学

研究代表者

糸 健太郎  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (00324400)

キーワードクライン群 / 双曲幾何 / 等角構造 / タイヒミュラー空間
研究概要

クライン群の変形空間について研究している.ここでn次元クライン群とはn次元双曲空間H^nの等長写像群の離散部分群のことである.通常,クライン群といえば3次元クライン群を指し,その変形空間のトポロジーは大変興味深い現象を多く含んでおり,私の興味もここにある.一方で,3次元クライン群を4次元クライン群と見なしたときの変形空間が,もとの3次元クライン群の変形空間のいかなる拡張になっているかにも興味を持っている.
17年度前半は,前年度から引き続き,その変形空間が(1,1)-型のマスキット・スライスとして知られている3次元クライン群を4次元クライン群と見なしてその変形空間を調べた.その変形空間は(1,1)-型のマスキット・スライスを実2次元の切り口として持つ実3次元多様体であり,別の切り口として(0,4)-型のマスキット・スライスを持つなど,多くの性質を明らかにすることが出来た.これらの結果は5月のAhlfors-Bers colloquium (Michigan Univ.)で発表する機会を得た.これは荒木義明氏(東大),小森洋平氏(阪市大)との共同研究である.
また従来から,曲面上の射影構造を通して曲面群と同型な3次元クライン群の変形空間のトポロジーを研究してきたが,このテーマに関する論文2本の改訂・再投稿に多くの時間を費やした.
さらに,1点穴あきトーラス群と同型な3次元クライン群の列の収束・発散に関する研究を行った.この場合,その変形空間は,MinskyのEnding Lamination Conjectureの解決により,2つの閉円板の直積より境界の対角成分を除いたものからの連続全単射が存在するが(同相ではない),対角成分に収束する点列に対応するクライン群の列の収束・発散は完全には特徴付けられてはいなかった.ここでは,Thurstonの2重極限定理,Ohshikaの発散定理,Anderson-Canaryによる例の隙間を埋め,収束・発散に関する必要十分条件を得ることが出来た.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Grafting and components of quasi-fuchsian projective structures2007

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Ito
    • 雑誌名

      London Mathematical Society Lecture Note Series 329(印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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