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2006 年度 実績報告書

多様体上の等角構造とクライン群の変形空間のトポロジー

研究課題

研究課題/領域番号 16740032
研究機関名古屋大学

研究代表者

糸 健太郎  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (00324400)

キーワードクライン群 / 双曲幾何 / 等角構造 / タイヒミュラー空間
研究概要

クライン群の変形空間について研究している.ここでクライン群とは3次元双曲空間の等長変換群の離散部分群のことであり,その研究は3次元双曲多様体の研究に等しい.特にクライン群の変形空間の境界挙動は非常に複雑であり,私の興味もここにある.
2006年度は主に,1点穴あきトーラスの基本群に同型なクライン群の列の収束・発散に関する研究を行った.この場合,Minskyの終端層定理よりその変形空間は閉円板の直積から境界の対角成分を除いたものと全単射の関係にあるが,対角成分に収束する点列に対応するクライン群の列の収束・発散は完全には特徴付けられてはいなかった.ここでは,Thurstonの2重極限定理,大鹿の発散定理,Anderson-Canaryによる収束する例の隙間を埋め,収束・発散に関する必要十分条件を得ることが出来た.この証明の概略は前年度に得ていたのだが,本年度はこれに厳密な証明を付け,論文の形に仕上げることに多くの時間を費やした.この論文"Convergence and divergence of Kleinian punctured torus groups"は2007年1月に投稿した.またこの結果を2006年5月にトロントのフィールズ研究所における研究集会で発表する機会を得た.さらに,クライン群の変形空間に関してこれに先立って書いた論文2本の改訂にも力を注ぎ,受理されることになった.一方で,3次元クライン群を4次元クライン群と見なしたときの変形空間が,もとの3次元クライン群の変形空間のいかなる拡張になっているかについても研究し,今までに得られた結果に関しては論文の執筆に取りかかった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Grafting and components of quasi-fuchsian projective structures2006

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Ito
    • 雑誌名

      London Math. Soc. Lecture Note Series 329

      ページ: 355-373

  • [雑誌論文] On continuous extensions of grafting waps

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Ito
    • 雑誌名

      Trans. Amer. Math. Soc. (to appear)

  • [雑誌論文] Exotic projective strutures and quasi-Fucksian spaceII

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Ito
    • 雑誌名

      Duke Math.J. (to appear)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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