研究概要 |
1.枠つきタングルの圏のある部分圏で、底タングルに作用するものたちからなるものBについて研究した。この圏Bには、ある意味で自然なホップ代数構造が作用している。また、連結な境界を持つ曲面のコボルディズムのなす圏Cと密接に関連している。任意のリボンホップ代数Hに対して、圏Bから、左H加群たちのなす圏へのbraided関手を構成した。さらに、Hennings不変量の圏論的な再構成をこの関手を用いて行った。(論文準備中) 2.上記の圏Cのある部分圏B'から、sl_2の量子包絡環に付随した関手を定義した。(圏B'は、曲面のTorelli群やホモロジーシリンダーのなすモノイドを含む。)これは、以前に得られていた整係数ホモロジー球面のすべての1の巾根におけるsl_2Wittell-Reshetikhin-Turaev不変量を統一たものの一般化である。(論文準備中) 3.3次元球面内の枠つき絡み目のKirby算法の種々の精密化を得た。特にCochran-Gerges-Orrによる手術同値関係の理論の中でのKirby算法を開発した。これは、以前に証明した整係数ホモロジー球面の場合の一般化である。系として、与えられた絡み行列に対しそれ,を安定化して得られる行列を絡み行列として持つような枠つき絡み目たちに対するKirby算法を得た。(論文準備中) 4.計算機実験により、「1の原始8乗根における整係数ホモロジー球面のWitten-Reshetikhin-Turaev不変量の値が実数かまたは純虚数であろう」という予想を得た。(論文準備中)
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