研究概要 |
4次元多様体内に埋め込まれた閉曲面上の写像類群について以下の研究を行った. 1.4次元多様体内のflexibleな曲面 4次元多様体内に埋め込まれた種数1以上の閉曲面について,その上の可微分同相写像が4次元多様体上の可微分同相写像で恒等写像とアイソトピックなもので拡張できるときに,その曲面をflexibleな曲面と呼ぶ.4次元球面内にflexibleな曲面が存在しないことが知られているが,一方,複素射影平面上にはflexibleな曲面が存在している.東京学芸大学の安原晃氏との共同研究により,flexibleな曲面が存在するために4次元多様体が満たすべき十分条件,単連結な4次元多様体内に埋め込まれた任意の曲面をflexibleな物へ改変する局所的な変形を求めた. 2.複素射影平面内の閉曲面とodd spin mapping class group 4次元多様体内への埋め込まれた3次元ハンドル体の境界を,4次元多様体への自明な閉曲面の埋め込みという.4次元球面内の自明に埋め込まれた閉曲面について,その曲面上の写像類で4次元球面全体に拡張するもののなす写像類群の部分群は曲面上のeven spin構造を保つ部分群であることが以前示された.今年度は,非特異平面3次曲線が定める複素射影平面内の2次元トーラスと4次元球面内の自明に埋め込まれた閉曲面との連結和について,同様の写像類群の部分群が曲面上のodd spin構造を保つ部分群となっていることを示した.
|