研究課題
ガウス過程の局所時間の漸近挙動に関する研究を進めていくにあたり、まず、ガウス過程の局所時間がどのような条件のもとで存在するのかについて研究を進めた。局所時間に関する研究においては、国内よりも海外の方が盛んであり、イギリスのシェフィールド大学教授のN.H.Binghamがこの分野に関する研究において様々な結果を導き出しており、教授の研究と私の今回の研究は近い分野であるので、イギリスに行き、自分の研究途中の結果について説明し、意見を求めた。本研究については、Bingham教授に他の関連する研究等について紹介してもらい、これらを参考に考察を進めており、論文を準備中である。本年度は上記以外に、もともとガウス過程の局所時間に関する研究に興味を持った動機とも関連する.確率変数の関数型極限に関する研究を進めた。ここでは、独立同分布である非負確率変数で末尾確率が緩慢変動するものの和について、trimmed sumに関する極限定理を求めた。今まで知られているD.A.Darlingの定理は、上記の性質をもつn個の独立確率変数の和をSnとし、n個の確率変数の中で最大のものをMnとすると、Sn〜Mn(n→∞)となるというものであるが、これをさらに次のオーダーまで調べるために、一次元分布に関してDarlingの結果を拡張した定理を求めた。すなわち、Darlingの結果からは、Sn-Mnはn→∞とのときに0となるが、これを2番目に大きな値をとる確率変数で割ると、極限はやはり1に法則収束する。これは同様の手法でさらに次のオーダーを示すことができる。そしてさらに、この一次元分布に関する定理を関数型極限定理にまで拡張し、結果を示した。
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Technical Report (Department of Information Sciences, Ochanomizu University) OCHA-IS 04-1
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