研究概要 |
本年度は物理現象および工学に現れる非線形力学系の具体例を取り上げその特徴を調べた. 1.Camassa-Holm(CH)方程式の1点爆発現象に関する研究を行なう.CH方程式は多重ピーコン解をもつ非線形可積分系であり,ある特殊の条件下ではある1点のみで有限時間で爆発する.この1点爆発条件の理論的な結果はConstantine-Escher条件のみが提出されている.本研究では数値シミュレーションにより1点爆発現象が起こる他の条件を示し,その結果を次の学会報告を行なった. (1)K.Kondo : Multiscale analysis of shallow water wave motion, SIAM Nonlinear Waves and Coherent Structures 2004, University of Central Florida, October 2, 2004. 2.熱音響現象による冷却現象に関する数理モデルの研究を行なう.熱音響現象に関する基礎方程式は現在のところ提出されていない.本研究では冷却要因に関するモデルを提案し観測結果との比較検討を行なった.その結果を次の学会報告を行なった. (1)富樫萌子,坂本眞一,渡辺好章,近藤弘一:熱音響冷却システムの冷却部における作業流体とスタック間の熱交換についての数理モデル,音響学会2004年度秋季研究発表会,2004年9月28日. (2)富樫萌子,坂本眞一,近藤弘一:熱音響冷却システムの冷却部における作業流体とスタック間の熱交換についての数理モデル,研究集会「非線形波動の物理と数理構造」,九州大学応用力学研究所,2004年11月16日.
|