• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

進化系統樹最節約復元問題の代数論・束論的観点からの研究

研究課題

研究課題/領域番号 16740069
研究機関東海大学福岡短期大学

研究代表者

宮川 幹平  東海大学福岡短期大学, 情報処理学科, 講師 (40369848)

キーワード進化系統樹 / 最節約原理 / 最節約復元 / 結び既約 / 分配束 / 半順序集合 / 系統樹推定問題
研究概要

次数1の頂点に付値のされた単純木構造(e1-tree)に対して,内点(次数2以上の頂点)の付値をe1-treeの復元と呼ぶ。ある復元が与えられたとき,e1-treeの各辺の長さを辺の両端点における付値の絶対値差,e1-treeの長さをその総和と定義する。このとき,e1-treeの長さを最小化するような復元を最節約復元(MPR)と呼ぶ。先行研究によって,与えられたe1-treeのMPRは既に特徴付けられており,全てのMPRを列挙する簡明な再帰アルゴリズムが提案されている。しかし,一般にMPRは頂点数に関して指数関数的に存在することも同時に明らかになっており,MPR全体の空間において重要な役割を果たす特定のMPRを決定する必要が生じてきた。
そこで,本研究においては,MPR全体の空間が分配束をなすという先行研究の結果を受け,MPR全体の空間(MPR束)の代数的・束論的な興味として,結び(join)演算で既約となる元(結び既約元)に焦点を当てた。結果として,(1)e1-tree上の復元が,MPR束における結び規約元であるための必要十分条件の証明,(2)結び既約元を全て列挙する再帰アルゴリズムの提案とその計算量解析,(3)結び既約元からなるMPR束の部分半順序集合Pの効率的な構築法の提示,という3点の成果を得た。(1)の成果をもとにした(2)のアルゴリズムにおいては,MPR束における結び既約元のどのひとつに関しても,与えられたe1-treeの頂点数に関して線形時間で決定することができる。また,(3)においては,半順序集合Pにおける全ての被覆関係をe1-treeの頂点数に関して線形時間で決定できることを示しており,このことと有限分配束の基本的な定理により,MPR束を代数的に構築するための生成元を効率よく構築できることができたことになる。

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi