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2004 年度 実績報告書

超越有理型関数の複素力学系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16740074
研究機関京都大学

研究代表者

木坂 正史  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (70244671)

キーワードFatou集合 / Fatou成分 / 超越整関数 / 遊走領域
研究概要

本研究では「超越整関数fが与えられたとき,fはFatou集合の周期成分および遊走領域を何個ずつ持つか?」という基本的で重要な問題を考えるのが主な目的であり,今年度の当初の予定は以下のようであった:超越整関数に対して次のような問題を考える:
(1)-I:超越整関数のうち「有限型」と呼ばれるものに関しては宍倉の不等式の類似,即ち周期成分の個数と特異値の個数の問に,ある不等式が成り立つことがEremenkoとLyubich両氏によって知られているが,その不等式のsharpnessについて考察する.即ち,その不等式を満たすように各成分の個数を与えたときにそれを実現する有限型超越整関数が実際に存在するのかを考察する.
(1)-II:更に(1)-Iで考察した実例が単に有限型であるだけではなく,具体的な表示を持つものとして実現できるか,を考察する.
上記(1)-1,(1)-IIを同時並行的に取り扱った.結果としてはEremenko-Lyubichの不等式を満たす数のいくつかの組に対しては,それを実現するような超越整関数をいわゆる「構造有限型」と呼ばれる具体的な表示をもつものとして得ることはできたが,Eremenko-Lyubichの不等式を満たす数の組(注:それらには無限通りの可能性がある)の全てに対して,それを実際に体現する超越整関数を得るまでには至らなかった.これは来年度以降の課題である.また,
(1)-III:一般の超越整関数の場合に,各周期成分の個数を0個から∞個まで許して,考え得るすべての組合わせに対して,そのような周期成分の持ち方をするfを構成することを考える.更に可能であれば単に存在を証明するだけではなく,関数の具体的表示,例えばある制限したクラスの中での実現可能性について考える.
という問題については,遊走領域の個数(注:grand orbitの意味で)を∞個まで込めて,任意に与えたときに,Fatou成分としてはそれだけの個数の遊走領域だけを持ち,他のFatou成分を持たないような超越整関数を構成することには成功した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Construction of doubly-connected wandering domains

    • 著者名/発表者名
      M.Kisaka, M.Shishikura
    • 雑誌名

      数理研講究録 (発表予定)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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