今年度の主な研究実績は以下の通りである。 ・半直積群上の調和解析という視点からウェーブレット変換を考察するという研究は、これまで主に正規部分群が可換という設定で為されてきたが、私は可換とは限らない場合を一般的な条件の元に考察し、その結果を学術論文 「Wavelet transforms for semidirect product groups with not necessarily commutative normal subgroups」 にまとめた。 ・正規j代数の単射的なシンプレクティック表現を標準的に構成する方法を考案し、それによって任意の等質ジーゲル領域をジーゲル上半平面の中に同変的に埋め込むことに成功した。さらに、その埋め込みの像をブロック分解された行列の集合として明快に記述した。これらの結果はXuによる同様の仕事を含むものであり、学術論文 「On symplecitic representations of a normal j-algebra」 にまとめられた。 ・正則凸錐の勾配写像に関する或る未解決だった予想に反例を与え、その結果を学術論文 「The gradient maps associated to certain non-homogeneous cones」 にまとめた。
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