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2005 年度 実績報告書

非線型拡散方程式系に現れる遷移層のダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 16740090
研究機関東京海洋大学

研究代表者

中島 主恵  東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (10318800)

キーワード界面 / 遷移層 / 特異極限 / 界面方程式 / 自由境界問題 / モース指数 / 双安定型方程式系
研究概要

本年度は,競争の非常に激しい状況下における2種の生物の境界面の形成とその挙動について研究を進めた.競争系において競争係数を非常に大きくすると,2種の生物のすみわけの境界が現れる.拡散係数を微小にしたときとは異なり,この境界の近傍において解は限りなく角に近い形状をもつ.本研究では,このような角をもつ界面の形成とその後の挙動を扱う.界面は非常に短時間内に形成された後,その挙動はある自由境界問題に支配されるが,この一連の挙動を数学的に厳密に証明することができた.昨年度までに界面が形成された後の運動を厳密に記述する結果がえられていた.すなわち,初期データが自由境界問題の初期データに近い場合については証明がえられていた.本年度の業績は,界面が形成されるまでの,初期段階における解の挙動を厳密に表現したことである.この初期段階の結果と,形成後の界面の運動に関する昨年の結果を組み合わせて用いて,ほとんどすべてのなめらかな初期値に対して解の挙動を数学的に厳密に記述することができた.
これらの研究に関する研究連絡と研究討論を行うため,ニューイングランド大学(オーストラリア)のイーホン・ドゥ教授、パリ南大学(フランス)ダニエル・ヒルホスト教授を招いた.本年度は京都大学数理解析研究所、東北大学、宮崎大学、広島大学、九州大学、また国外では曲阜師範大学(中国)、西オーストラリア大学(オーストラリア)などでの研究集会に招かれてこれらの研究成果を発表した.また研究集会において国内外の研究者との研究連絡を行った.
これらの研究連絡は,現在までの成果を報告するのみでなく,私にとって新しい方向性を考えるきっかけとなった.今までおこなってきた界面の形成過程の研究を用いて,現在双安定型方程式の不安定性の増大と球対称性の崩壊について研究を進めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Transition layers and spikes for a bistable reaction-diffusion equation.2005

    • 著者名/発表者名
      Urano Michio, Kimie Nakashima, Yoshio Yamada
    • 雑誌名

      Advances in Mathematical Sciences and Applications 15

      ページ: 683-707

  • [雑誌論文] Transition layers and spikes for a reaction-diffusion equation with bistable nonlinearity2005

    • 著者名/発表者名
      Urano Michio, Kimie Nakashima, Yoshio Yamada
    • 雑誌名

      Discrete and Continuous Dynamical Systems

      ページ: 861-877

  • [雑誌論文] Generation and propagation of interface to a competition- diffusion system with very large competition rate

    • 著者名/発表者名
      Kimie Nakashima
    • 雑誌名

      数理研講究録 (掲載予定)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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