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2006 年度 実績報告書

すばる望遠鏡による暗黒物質の探索と変動天体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16740109
研究機関京都大学

研究代表者

戸谷 友則  京都大学, 理学研究科, 助教授 (90321588)

キーワード暗黒物質 / ガンマ線バースト / 活動銀河中心核
研究概要

最終年度として、引き続き暗黒物質と変動天体に関する系統的で幅広い研究を行った。平成17年9月4日に発生したガンマ線バースト(GRB)、GRB050904はすばる望遠鏡で可視スペクトルが取得され、これまでで最も遠いGRBで、最も遠い銀河やクエーサーに匹敵するz=6.3であることが明らかにされた。代表者は、このスペクトルの理論解析を担当した。詳細な解析、考察の結果、このスペクトルから誕生後9億年の宇宙がすでに電離されていることが明確となった。これは、クエーサーや宇宙マイクロ波背景放射などこれまでの手法では得られなかった画期的な成果となった。この結果、宇宙がかなり早い段階で初代天体の形成により電離されていたことが明らかになり、宇宙論に大きなインパクトを与える結果となった。この成果は京都大学から報道発表され、主要紙複数を含む多くの新聞で報道された。また、この成果により、研究代表者に平成18年度日本天文学会研究奨励賞が授与された。他にも、ブレーザーと呼ばれる変動の激しい活動銀河中心核に関して、ガンマ線光度関数のこれまでにない精密なモデルを構築し、その結果、X線観測で示唆されている「光度に依存する数密度進化」がガンマ線ブレーザーにもよくあてはまることを見出した。これは、ジェットを含めた活動銀河中心核の統一描像に対して有用な示唆を与えるものとなった。また、暗黒物質の対消滅起源のガンマ線が宇宙ガンマ線背景放射に寄与している場合、その予想される非等方性を精密に計算し、パワースペクトルとして予言した。この結果は将来のGLASTなどの衛星観測にとって重要となるであろう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 その他

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Gamma-Ray Luminosity Function of Blazars and the Cosmic Gamma-Ray Background : Evidence for the Luminosity-2006

    • 著者名/発表者名
      Narumoto, Takuro, Totani, Tomonori
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal 643

      ページ: 81-91

  • [雑誌論文] Implications for Cosmic Reionization from the Optical Afterglow Spectrum of the Gamma-Ray Burst 050904 at z =2006

    • 著者名/発表者名
      Totani, Tomonori;, Kawai, Nobuyuki;, Kosugi, George;, Aoki
    • 雑誌名

      Publications of the Astronomical Society of apan 58

      ページ: 485-493

  • [雑誌論文] A RIAF Interpretation for the Past Higher Activity of the Galactic Center Black Hole and the 511 keV Annihilation2006

    • 著者名/発表者名
      Totani, Tomonori
    • 雑誌名

      Publications of the Astronomical Society of Japan 58

      ページ: 965-977

  • [雑誌論文] Angular power spectrum of gamma-ray sources for GLAST : blazars and clusters of galaxies

    • 著者名/発表者名
      Ando, Shin'ichiro;, Komatsu, Eiichiro;, Narumoto, Takuro
    • 雑誌名

      Monthly Notices of the Royal Astronomical Society (掲載予定)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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