研究概要 |
本研究では、超新星、γ線バースト(GRB)等の突発天体の発見報の収集とそれに即応した分光ならびに測光観測、さらには観測後の迅速な整約作業を行うことにより、IAUサーキュラーなどの回報に投稿するといった作業を行う。今年度は、これらの観測を継続するとともに、観測をより効率よく行うため観測装置などの機器の改造や開発を行った。 1.超新星の早期分光観測 今年度は、4月に行ったSN2004bd、12月に行ったSN2004gtについて早期分光観測を行い、それぞれIAUサーキュラー8317,8456号にてその結果を報告した。特にSN2004gtについてはハッブル宇宙望遠鏡の詳細な過去画像との照合を行うため、150cm望遠鏡に追観測を行って超新星の元となった星への制限を与えた(山岡、衣笠ら、2005年春季天文学会H19bにて発表)。 2.GRB等の観測 自動望遠鏡、150cm望遠鏡の観測により、次の3つのGRBについてGCNサーキュラーにて速報結果を報告した。040511、041015については検出できず上限値のみの報告であったが、041006についてはべき関数に従って減光する様子をとらえることに成功した。また、赤外線カメラでの観測も行い、色の情報を得ることに成功した(衣笠ら、2005年春季天文学会H16cにて発表)。その他、自動望遠鏡において新星の追観測も実施した(Imada et al. 2005)。 3.観測装置の改良作業について 観測を効率よく行えるよう、65cm望遠鏡にとりつける小型分光器の検出器の更新作業を行っている。また、小型自動望遠鏡において使用するフィルターとホイールを導入した。さらには、150cm望遠鏡の窒素冷却カメラに分光モードを付け加えるといった機器改造作業を行っているところである。これらの作業を来年度早々において行い観測に反映していく予定である。
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