本研究では、超新星、γ線バースト(GRB)等の突発天体の発見報の収集とそれに即応した分光ならびに測光観測、さらには観測後の迅速な整約作業を行うことにより、IAUサーキュラーなどの回報に投稿することを目的としている。今年度は、観測をより効率よく行うための観測装置の整備を行い、それらを実際に使った観測を行った。 1.観測装置整備 観測の効率をあげるためいくつかの観測装置の整備を行った。1つ目はぐんま天文台65cm望遠鏡用の小型分光器の検出器の更新である。昨年度末に導入した検出器のテスト等を行い実際の観測に使えるようにした。2つ目は150cm望遠鏡の窒素冷却カメラに分光モードを付加するといった機器改造作業を行った(衣笠ら、2006年春季天文学会V18b)。これらの機器導入によって従来に比べて1-2等程度暗い天体の分光が可能となった。 2.超新星の早期分光観測 今年度は天候に恵まれず対応できない場合が多かったが、3月31日に観測を行ったSN2006bbについて150cm望遠鏡にて早期分光観測を行い、CBAT454号にてその結果を報告した。この超新星の明るさは17.3等程度であって従来の観測可能な明るさに比べて2等程度暗い天体であり、本研究活動による成果であることを端的に表している。 3.GRB等の観測 自動望遠鏡、150cm望遠鏡の可視光撮像観測により、次のGRBについてGCNサーキュラーにて速報結果を報告した。051105A、051105B、051109B、060202、060204Bについては検出できず上限値のみの報告であったが、061109Aについては検出することに成功した。赤外線カメラでの観測も060204Bにおいて行った。 その他、自動望遠鏡にて新星の追観測(Imada et al.2005)や、65cm望遠鏡にてSS433のX線との同時観測を行った(Kotani et al.2005)。
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