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2006 年度 実績報告書

B中間子のファイ中間子・パイ中間子への二体崩壊の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16740146
研究機関奈良女子大学

研究代表者

宮林 謙吉  奈良女子大学, 理学部, 助教授 (40273833)

キーワードB中間子 / 稀崩壊 / CP非保存
研究概要

対象としたB中間子のファイ中間子・パイ中間子への二体崩壊反応は、きわめて稀な反応で、直接検出が難しいため、間接的な探索として、B中間子のプサイ中間子・パイ中間子への似たい崩壊反応における直接的CP非保存の測定を実行した。この場合、ツリー振幅と呼ばれる弱い相互作用の最低次の振幅には複素位相が入らないが、ペンギン振幅と呼ばれる1ループ振幅はファイ中間子・パイ中間子への崩壊過程のダイヤグラム中でカラー荷ゼロの中間状態から生じるストレンジクオーク対をチャームクオーク対に置き換えただけで、Vtdに起因する複素位相を含むところが共通である。したがってツリー振幅とペンギン振幅の間の干渉効果の帰結である直接的CP非保存の測定が間接測定の役割を果たす。
これは、中性B中間子、荷電B中間子の両方について実行した。前者の場合は、中性B中間子および反中性B中間子のどちらもが共通に崩壊できる終状態であるので、反対側のBのフレーバーをその崩壊生成物から同定し、反B中間子とB中間子の間で崩壊が起きた時刻の分布に見られる差を測定する「time-dependent CP violation」の方法を用いた。データはKEKB加速器/Belle測定器で収集した533 M B中間子対事象のデータを用い、290候補事象を得て、最尤度法によってCP非保存パラメーターを求めたところ、直接的CP非保存は+0.08±0.16±0.05となり、ゼロと無矛盾であった。
荷電B中間子については、陰電荷のものと陽電荷のものの間の崩壊分岐比の比対称度を求めたところ、0.02±0.05±0.02となり、これまたゼロと無矛盾な結果となった。
以上のことより、B中間子の崩壊過程においてクオーク対をカラー荷ゼロの中間状態から作るペンギン振幅はツリー振幅に比べて小さいという知見が得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Observation of time-dependent CP violation in BO-> eta' KO decays and improved measurements of CP asymmetries in BO -> phi KO, BO -> Ks Ks Ks and BO -> J/psi KO decays2007

    • 著者名/発表者名
      K.F.Chen, K.Miyabayashi, et al.
    • 雑誌名

      Physical Review Letter 98

      ページ: 031802

  • [雑誌論文] Observation of the decay BO -> J/Psi eta2007

    • 著者名/発表者名
      M.C.Chang, K.Miyabayashi et al.
    • 雑誌名

      Physical Review Letter 98

      ページ: 131803

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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