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2004 年度 実績報告書

ダイナミカル格子QCDアルゴリズムの前処理法による改良の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16740147
研究機関広島大学

研究代表者

石川 健一  広島大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60334041)

キーワード格子QCD / モンテカルロアルゴリズム / 数値計算
研究概要

近年の計算機能力の発展と計算アルゴリズムの発展により、QCDの第一原理計算である、格子QCDによるハドロン質量などの物理量の計算が可能となってきた。特に3つのクォークフレーバーの真空偏極を取り入れた計算がPHMC法という計算アルゴリズムにより可能となった。しかしながら、このアルゴリズムをもってしても、取り扱うことのできるクォーク質量は現実世界のものより重いことが議論され、精度のよい物理量の計算に困難が生じることがわかってきた。
私はこのPHMCアルゴリズムがより軽いクォーク質量においても効率よく計算ができるようになる改良を目的として研究を行った。
本年度は研究計画に則り、UVフィルター前処理の有効性を調べた。Hasenbuschにより提案された前処理方法も調べた。具体的には本研究予算で購入したPCとコンパイラを用いてこれらの前処理を施したPHMC法アルゴリズムのプログラムを作成した。このプログラムを用いて、高エネルギー加速器研究機構にあるスーパーコンピューターSR8000にて、各前処理の効率を比較的小さな格子サイズの重いクォーク質量の点で以前の前処理を施していないアルゴリズムと比較した。
Hasenbuschにより提案された前処理方法は格子点を非対称に前処理を施した非対称even/odd前処理法に加えて前処理を施す方法である。われわれはすでに、法支店を対称に前処理した対称ever/odd前処理を行っており、これは非対称even/odd前処理よりも効率がよいことが分かっている。われわれの対称even/odd前処理に加えてHasenbusch前処理を施しても計算効率が良くならないことが分かった。この原因についてはさらに調べる必要があり、効率のクォーク質量依存性が重要であると思われる。
UVフィルター前処理を施したアルゴリズムについては計算プログラムが正しい計算結果を出力することを確かめるにとどまった。
物理量に対する軽いクォークの重要性について、私は、国際会議「格子上の場の理論Lattice2004」にて招待講演をおこなった。
17年度の課題は、各前処理法の効率のパラメータ依存性を詳しく見ていくことである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Hadron Spectrum from Dynamical Lattice QCD Simulations2005

    • 著者名/発表者名
      K-I.Ishikawa
    • 雑誌名

      Nuclear Physics B (Proceedings Supplements) 140

      ページ: 20

  • [雑誌論文] Light hadron spectrum in 2+1 flavor full QCD by CP-PACS and JLQCD Collaborations2005

    • 著者名/発表者名
      T.Ishikawa et al.
    • 雑誌名

      Nuclear Physics B (Proceedings Supplements) 140

      ページ: 225

  • [雑誌論文] Non-perturbative O(a)-improvement of Wilson quark action in three-flavor QCD with plaquette gauge action2005

    • 著者名/発表者名
      N.Yamada et al.
    • 雑誌名

      Physical Review D 71

      ページ: 054505

  • [雑誌論文] A scaling study of the step scaling function in SU(3) gauge theory with improved gauge actions2004

    • 著者名/発表者名
      S.Takeda et al.
    • 雑誌名

      Physical Review D 70

      ページ: 074510

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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