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2005 年度 実績報告書

回転希薄原子系との類似性に基づく広義の量子ホール系に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16740164
研究機関東北大学

研究代表者

中島 龍也  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70281962)

キーワード広義の量子ホール系 / 回転する希薄原子系 / 南部・Goldstoneモード / 二層量子ホール系 / 量子相転移 / Hartree-Fock-Bogoliubov近似
研究概要

量子ホール系と呼ばれる強磁場中の二次元電子系では,試料がクリーンならば系の性質は電子間クローン相互作用によって決定される.この相互作用を粒子間の相対角運動量ごとに分解したものをHaldane擬ポテンシャルというが,半導体中の系ではこのポテンシャルを連続的にコントロールするのは困難である.一方,トラップされた希薄原子系を高速回転させた系のハミルトニアンは,回転座標系で見ると実は磁場中の多粒子系のそれに他ならない.この希薄原子系ではFeshbach共鳴を用いることにより相互作用の短距離成分を連続的にコントロールできるうえ,相互作用の長距離成分も制御可能になりつつあり,従来のボーズ統計に加えてフェルミ統計に従う希薄原子系も実験的に追究されるようになった.つまり,クローン相互作用するフェルミ系だけに限定されない広義の量子ホール系が観測対象となりつつある.我々はこの回転する希薄原子系に対して,まず低エネルギー励起と回転対称性の自発的破れとの関連を詳細に調べた.この対称性の破れに関する南部・Goldstoneモードとしては,励起エネルギーがほぼギャップレスであるquadrupole modeとoctupole modeが候補となるが,我々は南部・Goldstoneモードが対称性の破れを回復しようとする特性に着目して,回転による渦糸侵入の際の密度空乏をどのモードが補償するかを調べた.これにより,octupole modeが南部・Goldstoneモードにおける主たる要素であることを初めて明らかにした.また,Hartree-Fock-Bogoliubov近似を用いて,二層量子ホール系における励起スペクトルと基底状態相関も追究し,さらには横磁場起因の相転移に関する相図も理論的に求めた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Hartree-Fock-Bogoliubov studies of bilayer ν=2 quantum Hall systems2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Shimoda, T.Nakajima, A.Sawada
    • 雑誌名

      Modern Physics Letters B 19・11

      ページ: 539-548

  • [雑誌論文] Nambu-Goldstone Mode in a Rotating Dilute Bose-Einstein Condensate

    • 著者名/発表者名
      M.Ueda, T.Nakajima
    • 雑誌名

      Physical Review A (in press)

  • [雑誌論文] Theoretical phase diagram of bilayer ν=1 quantum Hall system

    • 著者名/発表者名
      Y.Shimoda, T.Nakajima, A.Sawada
    • 雑誌名

      Journal of Physics: Conference Series (in press)

  • [雑誌論文] Analogy between rotating Bose-Einstein condensate and quantum Hall liquid

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Nakajima
    • 雑誌名

      素粒子論研究 (in press)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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