• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

新しい半導体クラスレートの超伝導と構造安定性に関する低温超高圧ラマン散乱研究

研究課題

研究課題/領域番号 16740174
研究機関岐阜大学

研究代表者

久米 徹二  岐阜大学, 工学部, 助手 (30293541)

キーワード半導体クラスレート / 構造相転移 / 構造安定性
研究概要

シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)が隙間の多いケージ構造をとり,様々な原子をゲストとして内包する半導体クラスレート化合物は新しい機能性材料として注目されている。本研究は,特に圧力,温度をパラメータとし,ラマン散乱分光を主なプローブとして半導体クラスレートの超伝導発現のメカニズムや構造相転移に関する新しい知見を得るのが目的である。
本年度の成果として,まず1型構造を示すカリウム(K)内包シリコンクラスレートの圧力下での相転移の解明が挙げられる。上記のシリコンクラスレートについて超高圧ラマン散乱実験を行い,構造相転移を発見し,その機構について検討した。その結果,結晶学的に同形であり超伝導を示すBa内包シリコンクラスレートと同じ相転移機構が働いていることを確認した。また,構造I型Ba-Siクラスレートが示す7万気圧と15万気圧での相転移についてさらに詳しい測定を行いその機構について検討を行った。その結果,15万気圧では単位胞の体積が大きく減少するものの,結晶構造自体は不変であることがはじめて明らかになった。
構造III型のBa内包シリコンクラスレートについては,27万気圧までの高圧下ラマン散乱測定を行い,ゲストBaの振動モード,7万気圧における相転移,20万気圧以上でのアモルファス化をはじめて観測し,それらに関して詳しく検討した。
今後,同形のゲルマニウムクラスレートの高圧実験と低温実験を行うことにより,高圧構造安定性と超伝導発現メカニズムに対する知見を得ることが課題である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Pressure induced homothetic volume collapse in silicon clathrates2005

    • 著者名/発表者名
      A.San Miguel, T.Kume et al.
    • 雑誌名

      Europhysics Letter 69・4

      ページ: 556-562

  • [雑誌論文] High pressure Raman study on Ba doped silicon clathrate Ba_<24>Si_<100> up to 27 GPa2005

    • 著者名/発表者名
      H.Shimizu, T.Kume et al.
    • 雑誌名

      Physical Review B 71・9(印刷中)

  • [雑誌論文] ラマン分光によるシリコンクラスレートのゲストおよびホストの振動と高圧相転移2005

    • 著者名/発表者名
      清水宏晏, 久米徹二
    • 雑誌名

      日本物理学会誌 60(印刷中)

  • [雑誌論文] シリコンクラスレート化合物の超高圧ラマン散乱2004

    • 著者名/発表者名
      久米徹二
    • 雑誌名

      高圧力の科学と技術 14・2

      ページ: 167-172

  • [雑誌論文] High-pressure Raman study of the potassium-doped silicon clathrate K_8Si_<46>2004

    • 著者名/発表者名
      T.Kume et al.
    • 雑誌名

      Physical Review B 70・5

      ページ: 052101/1-052101/4

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi