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2005 年度 実績報告書

ミクロとマクロをつなぐ摩擦現象の基礎理論の構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16740184
研究機関東北大学

研究代表者

林 正彦  東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (60301040)

キーワード滑り摩擦 / 位相欠陥 / 渦糸 / エネルギー散逸
研究概要

摩擦現象のミクロな起源を明らかにするために、本年度は次の研究を実施した。
(1)固体の古典的なモデルの解析計算、および数値シミュレーションに基づく研究
前年度、厳密に解ける1次元モデルに基づいて、固体の弾性的な性質とエネルギー散逸の関係を調べたが、本年度はその拡張の下に、3次元的な弾性固体におけるエネルギー散逸のメカニズムの解明を目指して、解析的および数値的な計算を行った。その結果、乱れのない3次元固体の表面の滑り現象においては、通常の様な速度に比例する摩擦(エネルギー散逸)は波数ゼロ付近のマクロなモードにしか起こらないことが分かった。すなわち、固体間の滑り現象における摩擦は、巨視的な乱れのスケール以上でしか起こらない。この結果を拡張することで、固体間滑り摩擦のモデルとして、ランダムな弾性ネットワークを考案した。(このモデルにおける数値計算に基づく解析を現在行っている。)
(2)ナノスケール物質での摩擦解明の予備的な段階としての微小結晶における結晶構造、および位相欠陥分布の理論的研究
近年、カーボン・ナノチューブなどの微小結晶が、メカニカルなデバイスへの応用の観点から注目されているが、本研究ではそれらの系における摩擦現象解明の予備的な段階として、ナノチューブなどの結晶における位相欠陥の分布を明らかにする研究を行った。
(3)固体電子による摩擦の研究
固体電子による摩擦のミクロな研究として、超伝導体における渦糸生成によるエネルギー散逸の発生機構を、数値的なシミュレーションによって解析した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Vortex structures in mesoscopic superconducting network systems2006

    • 著者名/発表者名
      M.Hayashi, H.Ebisawa, M.Kato
    • 雑誌名

      Physica C 426-431

      ページ: 136

  • [雑誌論文] Differential geometry and morphology of graphitic carbon materials2005

    • 著者名/発表者名
      Masahiko Hayashi
    • 雑誌名

      Physics Letters A 342

      ページ: 237

  • [雑誌論文] Vortex nucleation and annihilation in superconducting Corbino disks2005

    • 著者名/発表者名
      Masahiko Hayashi, Hiromichi Ebisawa
    • 雑誌名

      J.Phys.Chem.Solids 66

      ページ: 1380

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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