研究概要 |
平成16年度は下記の研究を行った。 (1)マルチカノニカルモンテカルロ(MUCAMC)計算によるLennard-Jones流体の液体-固体相転移の研究 108個のアルゴン系ではバルクなLennard-Jones流体の液体-固体相転移がMUCAMC計算で扱えることから、さらに系が大きくなった場合の熱力学量等の変化を調べるために、256個および500個のアルゴン系で同様の計算を行っている。256個のアルゴン系については重み関数がほぼ決定でき、熱力学量等の解析を行っている。500個のアルゴン系では重み関数の微調整を行っているところである。 (2)Isobaric-multithermalアンサンブルでのL-J流体の液体-固体相転移の研究 MUCAMC法では粒子数および体積一定条件での計算となり、実験結果との直接比較が困難であるため、この方法を粒子数および圧力一定条件での計算が行えるように拡張し、1atmおよび3000atmでの108個のアルゴン系の計算を行っている。 (3)水の液体-固体相転移の研究 TIP4Pポテンシャルを用いて216個の水分子系で水と氷の中間の密度のMUCAMC計算を行っている。現時点はMUCA重みを決定しており、氷ではなくアモルファス氷が形成されている。 圧力が氷の形成にどう影響するかを調べるためにIsobaric-multithermalアンサンブルで計算が行えるようにテスト計算を始めた。 これらの研究の途中経過をSTATPHYS22,CCP2004,Fourth Indo-US Workshop on Mathematical Chemistry, CCP2005,第12回理論化学シンポジウム,2004分子構造総合討論会,日本物理学会第60回年次大会にて発表した。また、(1)の成果は分子シミュレーション研究会会誌に発表し、J.Chem.Info.Mod.にも投稿予定である。
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