• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

力学ネットワークモデルを用いた植物細胞内における原形質流動場の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16740246
研究機関佐世保工業高等専門学校

研究代表者

三橋 和彦  佐世保工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教授 (60311114)

キーワード原形質流動 / 車軸藻 / 光ピンセット / 粘弾性
研究概要

本年度は、昨年度に引き続き光ピンセット光学系の調整を行うとともに、原形質の逆流現象に関する研究を行った。
光ピンセット光学系のレーザー光の位置安定性が不十分であったため、本補助金によって光学台と光学部品を購入し光学系の剛性向上をはかった。さらに、ビームの角度調整によってレーザースポットを焦点面上で容易に操作するため、小型ジンバルミラーを導入した。その結果、顕微鏡視野内で縦横方向に±20μm程度スポット位置を移動させることが可能となった。
一方、顆粒の逆走現象を数多く観測したところ、葉緑体が剥がれ落ちた領域において顆粒の走行方向が反転する傾向があることが判明した。アクチン束が配列する壁面が修復される際に、局所的に配向性が乱されたまま固定されることによって顆粒が逆走したと推測される。また、葉緑体脱落領域周辺においては、逆走以外にも流れを横断する顆粒や数μm四方の円環状に周回する顆粒も新たに観察された。これらも、修復途中のアクチン束が乱れたまま固定されたことによって生じたと推察される。他方、アクチン配列の損傷程度が軽い領域では逆走は殆ど観察されないことが分かった。これは、原形質中で合成されたアクチン繊維が壁面のアクチン端に結合する際、原形質の粘性抵抗によりアクチン束の下流側に偏って結合するためであると考えられる。その結果、配向性が高まり流動方向もより安定化されると解釈できる。この様に、原形質に生じたレオロジー的な応力がアクチン束の配向性を高めそれがさらに流速の上昇を促す「相互フィードバック」効果を生み出している可能性が示唆された。今後、数値計算によって原形質内のアクチン繊維のレオロジーを含め運動性顆粒の力学状態をシミュレートし、原形質流動の物理学的本質を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 水生植物細胞内への原形質流動中における顆粒の逆走現象2005

    • 著者名/発表者名
      三橋和彦
    • 雑誌名

      平成17年度第111回日本物理学会九州支部例会予稿集

      ページ: 111

  • [雑誌論文] 画像解析を用いた車軸藻原形質内における顆粒の逆走現象に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      三橋和彦, 坂口愛美, 里見博子
    • 雑誌名

      2005年日本物理学会秋季大会講演概要集 第60巻第2号第2分冊

      ページ: 247

  • [雑誌論文] 水生植物細胞原形質内における顆粒の逆走現象に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      三橋和彦
    • 雑誌名

      平成17年度応用物理学会九州支部学術講演会講演予稿集 Volume31

      ページ: 35

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi