研究概要 |
現在までの我々の微気圧計のアレー観測(基盤A)により,波長が数10km程度の音波の分散を測る事に成功した.しかし本計画で目指す波長100kmスケールの長周期音波の分散の測定はいまだ達成されていない.この問題点を解決するために,本計画では地震研地震観測網の観測点に微気圧計を設置し100kmスケールのアレーを構築する予定である.具体的に本年度行ったのは以下の三つである。 (1)ネットワーク伝送装置の開発:本年度は計画で使用する大気圧記録システムのうちネットワーク伝送装置を開発した。省電力、可搬性、システムの柔軟性を考慮して、Linuxを実装したワンボードPCを用いた。IRS232Cを介しGPS時計とミリ秒精度で絶対時刻を同期させ、またRS232Cを介し気圧計出力(圧力、温度カウント値)を記録する。これらの記録を1日ごと,インターネットを介し地震研に設置予定のデータ収集サーバに転送する予定である。来年度には、これらの機器を利用して数観測点で運用テストを行った後に、長いスパンアレーを構築する予定である。 (2)筐体の開発:本計画では電源が取れる観測点で観測を行うためそれに伴う気圧計ケースの仕様の変更も行った。観測点によっては、観測壕内に設置するため可搬性を重視し軽量化した。また臨時観測を行う可能性も考慮した。 (3)長スパンアレーで用いる解析手法の開発:100kmの波長の音波の分散測定が可能なデータ解析手法を開発した。
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