研究課題
本研究の特色は、磁気圏赤道面における固定されたL値の2領域(地心距離10-30Re:地球半径と6.6Re以下)での観測と、極軌道衛星による広い緯度(L値)範囲の観測とを、経験的磁気圏電磁場モデル内での荷電粒子軌道追尾シミュレーションを用いることで結びつけ、分布関数レベルでの詳細な比較を可能にしようという点にある。この目的を達成するため、本研究では、以下に記す(A)〜(C)の3つの衛星観測データセットを使用する。(A)磁気圏子午面観測データ(FAST衛星)(B)プラズマシート観測データ(GEOTAIL衛星)(C)静止軌道衛星データ(主にLos Alamos衛星群)この中でも(A)のFAST衛星データセットのデータ蓄積量は4TBであり、統計解析を効率よく遂行するためには、4TBのデータを収納可能な大容量データストレージおよびデータ解析用サーバを、申請者の所属機関に導入することが望ましい。平成16年度には、サーバ導入時に最新の情報に基づき機種選定をしなおした他は、当初の計画通り、(A)のデータサーバを導入し、提供元のカリフォルニア大学バークレー校(データセットA)に研究打ち合わせに行くことで、1997年から2003年の7年分のデータ解析環境整備をほぼ完了した。また、ロス・アラモス米国立研究所における研究打合せも予定通り行い、データセット(C)を用いた研究を開始した。これと並行しでデータセット(B)のプラズマ直接観測データの解析を進め、プラズマシート境界層での波動粒子相互作用の統計的性質を明らかにした。また、赤道面と子午面軌道をもつ人工衛星の粒子データ比較解析を行い、放射線帯外帯の変動に関してピッチ角の時間発展の重要性を示唆する結果を得た。これらの成果は、国際学術誌Journal of Geophysical Researchに掲載が決定された。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
Journal of Geophysical Research 110・A02
ページ: doi:10.1029/2004JA010655
ページ: doi:10.1029/2004JA010395