研究課題
本年度おこなった研究によって、以下の成果が得られた。1.電子線マイクロプローブを用いたU-Th-Pb年代測定法によって、南極産(約25億年〜5億年前)、スリランカ産(約5億年前)、ベトナム産(約3〜2億年前)、国内産(約1億年前)の様々な年代範囲の試料の分析をおこなった。昨年度に測定したデータの一部を学術誌に公表し、また南極産試料の年代データならびに測定条件に関する考察などを学術誌に投稿する準備をおこなっている。2.南極産超高温変成岩試料中から見いだしたペリエライト(含Ti珪酸塩鉱物)の組成キャラクタリゼーションをおこない、モナザイトと類似した軽希土類元素に富み重希土類元素に枯渇する特徴と、25-24億年前のU-Th-Pb年代と見積もった。3.オーストラリアのタウンズビルで開催された国際地質構造-テクトニクス-鉱床形成プロセス会議(STOMP-Conference)において上記のペリエライトに関する研究報告をおこなった。その直後に当地で開催された電子線マイクロプローブ年代測定ワークショップにおいて、分析条件や標準試料の世界共通化に向けての意見交換をおこなった。4.イオンマイクロプローブ(SHRIMP)を用いたジルコン、ザクロ石、斜方輝石中の希土類元素分析に必要な測定条件の検討をおこなった。予察的に南極産試料の分析をおこない、年代値と対応した希土類元素パターンの変化を見いだした。今後さらに追加分析によってデータの検証を予定している。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (1件)
In : Antarctica-Contributions to global earth sciences(eds. by D.K.Futterer et al.)(Springer-Verlag, Berlin Heiderberg New York)
ページ: 63-68