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2004 年度 実績報告書

ゆらぎ構造からみた超臨界水中の塩・希ガス・アルコール分子周囲の局所密度変化

研究課題

研究課題/領域番号 16750002
研究機関千葉大学

研究代表者

森田 剛  千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80332633)

キーワード水 / 超臨界流体 / 水溶液 / 水素結合 / 小角X線散乱 / 密度ゆらぎ / 濃度ゆらぎ / 密度測定
研究概要

水は,最もありふれた液体である。しかし,現在でも最もなぞに包まれた液体である。また,物質が臨界点を越えた超臨界状態になると,通常の気体や液体には見られない,多くの特異な性質を示す。超臨界状態での特異的な性質は,「構造のゆらぎ」により議論され,このゆらぎは、超臨界流体の特異性と密接に関連している。水は,このゆらぎ構造においても他の物質には見られない特性を示すのである。
我々が日常目にする水は,その強い水素結合を反映し,ほぼ均一な構造を有している。このため,メタノールやエタノールなどの一般的なアルコールと比較し「構造のゆらぎ」が同程度かむしろ小さい。しかし,超臨界状態では,水は特異的に「構造のゆらぎ」を増大させ,逆に,メタノールより大きなゆらぎを持つようになる。
水のゆらぎ構造は,水以外の水素結合性流体や,水に様々な分子間相互作用を持つ溶質を混合し,その変化を解析することで,その水素結合との相関がより深く理解される。
本年度は,典型的な水素結合性の物質であるメタノールを高温高圧下の水に混合したときに水そのもののゆらぎ構造の変化を解明した。また,超臨界混合系での小角散乱実験を行うための金属ベローズを内蔵した測定セルを構築した。さらに、溶媒と溶質の混合状態を分離し解析するために必要となる熱力学量を,X線をプローブとした測定手法による密度測定装置を構築した。構築した密度測定装置により得られた値の微分量から,部分モル量を見積もることができる程度まで高精度であることが確認されており,今後各系に対し解析を行っていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Volume-variable sample holder for small-angle X-ray scattering measurements of supercritical solutions and its application to the CHF_3-CO_2 mixture2005

    • 著者名/発表者名
      T.Morita, T.Masakawa, A.A.Arai, M.Nakagawa, K.Nishikawa
    • 雑誌名

      Review of Scientific Instruments 76

      ページ: 033902-1-033902-4

  • [雑誌論文] Fluctuations in density and concentration of methanol-water mixtures at 7 MPa and 373,423 K studied by small-abgle x-ray scattering2004

    • 著者名/発表者名
      T.Morita, K.Nishikawa
    • 雑誌名

      Chemical Physics Letters 389

      ページ: 29-33

  • [図書] 実験化学講座5 化学実験のための基礎技術(2.3.2 回折法によるミクロ構造の決定)2005

    • 著者名/発表者名
      森田 剛, 西川 恵子
    • 総ページ数
      13
    • 出版者
      (株)丸善

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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