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2005 年度 実績報告書

ゆらぎ構造からみた超臨界水中の塩・希ガス・アルコール分子周囲の局所密度変化

研究課題

研究課題/領域番号 16750002
研究機関千葉大学

研究代表者

森田 剛  千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80332633)

キーワード超臨界流体 / 水 / 水素結合 / ゆらぎ / 水溶液 / チタンセル / 小角X線散乱 / 吸収測定
研究概要

水と類似した静電的相互作用のサイトを持つCH_2F_2及び、同じフルオロカーボンのCHF_3に対し小角X線散乱実験を行い、水素結合形態とゆらぎ構造との相関を調べた。その結果、CH_2F_2のゆらぎ構造は、CHF_3やCO_2などの他の多くの物質より大きな分布特性を示した。典型的な水素結合性流体の超臨界水と非水素結合性流体との中間的な分布となった。これは、CH_2F_2の水素結合形態が水と類似しているためと考えられる。
超臨界水溶液のゆらぎ構造の解析として、水と同じ水素結合性を示すメタノールとエタノールを混合した超臨界アルコール水溶液の小角散乱実験を行った。相関距離の密度依存性は、低密度側と高密度側での顕著な相違を示した。超臨界アルコール水溶液は低密度側では水と類似したゆらぎ構造を持つのに対し、高密度側ではゆらぎの程度が大幅に減少した。
超臨界水溶液の熱力学的物理量の導出のため、高温高圧流体に適応可能な密度測定装置を構築した。さらに、水-炭化水素系や水-希ガス系などの測定が可能となる体積可変機構を有するチタンセルを構築し、窓部のシールに活性ろう材を用いたろう付けを採用し成功した。これにより、様々な超臨界水溶液に対する小角散乱実験と密度測定の目処が立った。
さらに、高エネルギー加速器研究機構の放射光共同利用実験施設において、小角散乱測定と試料によるX線吸収を測定する、同時測定システムを構築し、装置評価を行った。試料密度が3倍程度と大きく変化しても、直線性良い測定結果が得られ、精度と広いダイナミックレンジを持つシステムが完成した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Volume-variable sample holder for small-angle X-ray scattering measurements of supercritical solutions and its application to the CHF_3-CO_2 mixture2005

    • 著者名/発表者名
      T.Morita, T.Masakawa, A.A.Arai, M.Nakagawa, K.Nishikawa
    • 雑誌名

      Review of Scientific Instruments 76

      ページ: 033902-1-033902-4

  • [雑誌論文] Density dependences of long-range fluctuations and short-range correlation lengths of CHF_3 and CH_2F_2 in supercritical states

    • 著者名/発表者名
      T.Morita, Y.Takahashi, Y.Tanaka, A.A.Arai, K.Nishikawa
    • 雑誌名

      The Journal of Chemical Physics (accepted)

  • [図書] 実験化学講座(第五版)5巻2005

    • 著者名/発表者名
      森田 剛, 西川 恵子
    • 総ページ数
      13
    • 出版者
      丸善株式会社

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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