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2005 年度 実績報告書

金属坦特酸化物の触媒作用に及ぼす弾性表面波の格子変位効果

研究課題

研究課題/領域番号 16750010
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

西山 洋  長岡技術科学大学, 分析計測センター, 助手 (50303186)

キーワードIRAS / 弾性表面波 / 格子変位 / 吸着状態
研究概要

弾性表面波(SAW)によって金属薄膜表面に生じる格子変位が、吸着種に及ぼす効果を明らかにすることを目的として、単純な分子構造のため振動スペクトルの解析が容易であるCOをプローブ分子として用い、SAW伝搬路上に接合したCu薄膜表面に吸着したCOのSAWによる吸着状態変化をIRAS方を用いて測定を行った。573Kでアニーリング処理のみを行ったCu表面ではCO吸着によって2070cm^<-1>に鋭い1本のピークが生じたのに対し、スパッタリング処理を行ったCu表面では、2100cm^<-1>付近に3本の目立ったピークを有する幅の広いスペクトルが生じた。解析ソフトウエアを用いてピーク分離を行ったところ、このスペクトルは4本のピークから成り立っており、それぞれのピーク位置は2072cm^<-1>,2086cm^<-1>,2095cm^<-1>および2104cm^<-1>であった。これまでに報告されているCu単結晶表面に吸着したCOのIRASピーク位置を用いてスペクトルの帰属を行ったところ、アニール表面に生じた2070cm^<-1>のピークはCu(111)面に吸着したCOの振動伸縮ピークであることが明らかとなり、一方、スパッタリング表面では2072cm^<-1>のピークはCu(111)に、2086cm^<-1>のピークはCu(100)に、2095cm^<-1>のピークはCu(110)および2104cm^<-1>のピークは高指数面およびステップサイトに吸着したCOのピークであることが明らかになった。アニール処理を行ったCu表面へSAWを伝搬させるとピーク位置に変化はないがピーク強度が減少した。SAWの伝搬を停止すると、減少したピーク強度は増加しSAW印加前のピーク強度と同等となった。スパッタリング処理を行ったCu表面では、SAW伝搬によってCu(111)面などの低指数面に吸着したCOのピーク強度が減少し、逆に高指数面およびステップサイトに吸着したCOのピーク強度が増加し、SAWの伝搬を停止すると、ピーク強度の変化はSAW印加前のレベルに戻った。以上のことから、吸着種に及ぼすSAWの効果は、原子レベルで異なる表面構造の違いを反映することを明らかにし、格子変位効果は、外部からの信号によって、触媒活性と選択性を制御できる有用な手法であることを見出した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] IRAS study of surface acoustic wave effects on CO adsorbed on Cu surfaces2005

    • 著者名/発表者名
      H.Nishiyama, Y.Inoue
    • 雑誌名

      Surface Science 594

      ページ: 156-162

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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