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2006 年度 実績報告書

有機ケイ素配位子の特異性を生かした反応活性金属錯体の合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 16750044
研究機関東北大学

研究代表者

橋本 久子  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60291085)

キーワードシリレン錯体 / ヒドロシリレン錯体 / タングステン錯体 / ルテニウム錯体 / オキシシリル錯体 / オキシラン
研究概要

(1)ヒドリド(ヒドロシリレン)ルテニウム錯体の合成と極性分子との反応
最近,合成に成功したタイトルのルテニウム錯体とアセトニトリルおよびベンゾニトリルとの反応を検討したところ、これらのニトリルの炭素-炭素結合切断を伴いほぼ定量的にシリルイソシアニド錯体を与えることが分かった。このニトリルとの反応では中間体がNMRにより観測され,アセトニトリルとの反応の場合,中間体の単離に成功した。興味深いことに,この中間体はSi-Hσ結合が金属に配位したσ-錯体であることが,x線結晶構造解析により明らかにされた。このルテニウム錯体の反応は,以前報告したタングステン類縁錯体とは大きく異なっており,これら2つの錯体の反応性の違いについてさらに研究中である。
(2)ハロシリレン白金錯体の合成と構造
シリレンケイ素上に電子求引性のハロゲンを持つシリレン錯体の例は極めて少ないが,これは未だ完全な形では報告例の無い,ケイ素-遷移金属三重結合を持つシリリン錯体の前駆体として有望な化合物である。今回,そのような錯体であるブロモシリレン白金錯体を,14電子白金錯体とトリブロモシランとを還元剤存在下に反応させることにより合成することに成功した。この錯体は,塩基の配位していないハロシリレン錯体として3例目であり,ブロモ基を持つものとして,また,白金のハロシリレン錯体として初めての錯体である。また,ケイ素上のブロモ基を求核置換反応によりメチル基に置換することにも成功した。この反応は,ケイ素上に2つの異なる置換基を持つ新しいシリレン錯体合成法として,今後の発展が期待される。なお,これら2つの新規シリレン錯体のX線結晶構造解析にも成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Reactions of a Hydrido(hydrosilylene)tungsten Complex with Oxiranes2007

    • 著者名/発表者名
      H.Hashimoto et al.
    • 雑誌名

      J. Organomet. Chem. 692

      ページ: 36-43

  • [雑誌論文] Reactions of a Silyl(silylene)Iron Complex with Nitriles : Carbon-Carbon Bond Cleavage of Nitriles by the Transiently Generated Disilanyliron(II) Intermediate2006

    • 著者名/発表者名
      H.Hashimoto et al.
    • 雑誌名

      Organometallics 25

      ページ: 472-476

  • [雑誌論文] Stoichiometric Hydrosilylation of Nitriles with Hydrido-(hydrosilylene)tungsten Complexes : Formation of W-Si-N Three-Membered Complexes and Their Unique Thermal Behaviors2006

    • 著者名/発表者名
      T.Watanabe et al.
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc. 128

      ページ: 2176-2177

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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