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2004 年度 実績報告書

ウラン・トリウムを内包したアクチノイド金属フラーレンの電子状態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16750053
研究機関特殊法人日本原子力研究所

研究代表者

秋山 和彦  特殊法人日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 博士研究員 (50360441)

キーワードフラーレン / 金属内包フラーレン / アクチノイド元素 / ウラン / XAFS / EXAFS
研究概要

申請者はこれまでにウラン(U)、トリウム(Th)金属フラーレンの単離に成功している。これらの金属フラーレンの性質についてさらなる理解を深めるために、これら金属フラーレンの電子状態を実験的に調べることは必要不可欠である。本研究ではM殻XA:FSや共鳴光電子分光法といった放射光を用いた分光法によりUやThの金属フラーレンの電子状態について明らかにすることを目的とする。これに先立ち、本年度はウラン金属フラーレンU@_C82についてHPLC分離法による単離を行い、高エネルギー加速器研究機構(KE:K)においてU L_<III>吸収端EXAFS測定を行い、内包U原子の局所構造を調べた。
EXAFS測定より得られたU@_C82の動径分布関数は2.08,3.15,4.08Å(移送シフトの補正は行っていない)に特徴的なピークを持っていることがわかった。これらのピークはFEFFによるモデルシミュレーションの結果、それぞれU原子の第1、第2、第3近接炭素原子に帰属され、最近接炭素原子数は6であることがわかった。このシミュレーション結果から明らかになったU-C距離、配位数の関係から、U原子はC82ケージのC2分子軸上に存在しており、6員環上に局在しているものと推測される。U@_C82と同じケージ構造を持ち、内包金属イオンの大きさもほぼ同程度(およそ1.16Å)であるLa@C_82では内包La原子は非局在化していることが報告されている。本研究で明らかになったU原子の局在化の原因は内殻電子数や原子質量などにより生ずると考えられる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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