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2004 年度 実績報告書

遷移金属カルベン種の新しい発生法及びその触媒反応

研究課題

研究課題/領域番号 16750081
研究機関神戸大学

研究代表者

網井 秀樹  神戸大学, 理学部, 助教授 (00284084)

キーワード有機金属化学 / 金属カルベン錯体 / カルベノイド / イソニトリル / パラジウム / 二量化カップリング
研究概要

遷移金属カルベン錯体は、通常のカルベン種にない多種多様の反応性を示すことから、大きな注目を浴びている化合物である。本研究は、遷移金属カルベン種(錯体)の関与する新しい有機合成反応について探索するものである。
私たちは、遷移金属カルベン錯体の新規発生法の鍵前駆体としてイミドイル金属種に注目した。特に、パラジウムカルベン錯体を与える前駆体:イミドイルパラジウム種の反応について詳細に研究を進めた。アリールパラジウム種へのイソニトリルの挿入を経由するイミドイルパラジウム種の発生を種々検討していくうちに、非常に興味深い触媒的カップリング反応を見い出した。すなわち、触媒量の0価パラジウム錯体存在下、ヨウ化アリール及びイソニトリルを還元的条件下(一酸化炭素雰囲気下、あるいは金属亜鉛存在下)で反応させると、ヨウ化アリール及びイソニトリルが2分子ずつ結合したα-ジイミンが低収率ながら得られた。本反応は、まずヨウ化アリールのパラジウム(0)錯体への酸化的付加、それに続くアリールパラジウム種へのイソニトリルの挿入反応により、イミドイルパラジウム種が形成する。還元的条件下、イミドイル配位子同士のホモカップリング反応が進行し、α-ジイミンが得られたと考えられる。本反応は、新規のカップリング反応という学術的興味のみならず、生成物のα-ジイミンが(重合触媒の配位子として)有用な化合物であることから、条件検討を続けて、さらなる収率向上をめざす。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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