• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

メチレンシクロプロパンのリビング重合を用いる新しい大環状ポリマーの精密合成

研究課題

研究課題/領域番号 16750091
研究機関東京工業大学

研究代表者

竹内 大介  東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (90311662)

キーワードπアリルパラジウム / メチレンシクロプロパン / リビング重合 / 両親媒性ポリマー / 高分子反応 / 環状ポリマー
研究概要

πアリルパラジウム錯体はアルコキシメチレンシクロプロパンのリビング重合を開始する。この場合、重合生長末端は水や空気に比較的安定な、πアリルパラジウム種である。本研究では、種々のアルコキシメチレンシクロプロパンの重合を行い、さらに生成ポリマーの高分子反応を行うことにより、両親媒性ポリマーの合成について検討した。さらに、環状πアリルパラジウム錯体を用いることにより、環状ポリマーの合成についても検討を行った。
親水性基あるいは疎水性基を有するメチレンシクロプロパンの重合は、いずれもリビング的に進行し、分子量分布の狭いポリマーが得られることが分かった。また、それぞれのメチレンシクロプロパンを順次反応させることにより、親水性メチレンシクロプロパンと疎水性メチレンシクロプロパンのブロック共重合体の合成も可能である。得られたポリマーの一部は、両親媒性を示すことが分かった。
得られるメチレンシクロプロパンポリマーはexo-メチレン基を有していることから、それを利用した様々なポリマー反応について検討を行った。ルテニウム触媒によるクロスメタセシス反応は進行しなかったが、オゾンとの反応によりカルボニル基、あるいはヒドロキシ基をポリマー中に導入できることが分かった。しかし、この場合には分子量が低下した。ヒドロホウ素化を行った場合には、分子量の低下を伴わず、exo-メチレン基をヒドロキシメチル基へと誘導できることが分かった。ヒドロキシ基とカルボン酸塩化物やイソシアナートとの反応により、種々の側鎖を導入することも可能である。これによって、ひとつの繰り返し単位中に、親水性基および疎水性基の両側鎖を有する両親媒性ポリマーを合成できることが明らかとなった。
環状πアリルパラジウム錯体を合成し、それを用いて種々のメチレンシクロプロパンの重合を行った。アルコキシメチレンシクロプロパンの重合は、非環状のパラジウム錯体を用いた場合と同様にリビング的に進行し、分子量分布の狭いポリマーが得られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Synthesis and Properties of Zr-Co Heterodinuclear Complexes with a Bridging Bis(cyclopentadienyl) Ligand2005

    • 著者名/発表者名
      Junpei Kuwabara, Daisuke Takeuchi, Kohtaro Osakada
    • 雑誌名

      Journal of Organometallic Chemistry 690

      ページ: 269-275

  • [雑誌論文] Altemating Copolymerization of Ethylene with 7-Methylenebicyclo[4.1.0]heptane Promoted by Cobalt Complex. Highly Regulated Structure and Thermal Rearrangement of the Obtained Copolymer2005

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Takeuchi, Kohtaro Osakada
    • 雑誌名

      Macromolecules 38

      ページ: 1528-1530

  • [雑誌論文] Preparation and Structure of Methylpalladium Complex with a Monodentate Ketimine Ligand, trans-[PdCl(Me)(kNl-NH=CPh2)2]2004

    • 著者名/発表者名
      Junpei Kuwabara, Daisuke Takeuchi, Kohtaro Osakada
    • 雑誌名

      Organometallics 23

      ページ: 5092-5095

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi