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2005 年度 実績報告書

二官能性モノマーの自己組織化能を利用した高分子超格子の創製

研究課題

研究課題/領域番号 16750101
研究機関長崎大学

研究代表者

小椎尾 謙  長崎大学, 工学部, 助教授 (20346935)

キーワード高分子超格子 / 二官能性モノマー / 重付加反応 / 自己組織化 / 多層膜
研究概要

本研究では、二種類の二官能性モノマーを用いて、化学反応を交互に行うことにより、固体基板上に垂直に配向された高分子薄膜を調製する。最終的には、種々のアルキル鎖長を有するモノマーを用いることで膜の秩序性を制御し、高分子超格子を創製することを目的とする。
シリコンウエハー上に、アミノシラン化合物(アミノプロピルジメチルエトキシシラン)を固定化した。次に、このアミノシランを固定化したシリコンウエハーを4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)溶液に浸漬することにより、MDI単分子膜を累積した。さらに、この基板を4,4'-ジフェニルメタンジアミン(MDA)溶液に浸漬し、3層目のMDA単分子膜を累積した。この操作を繰り返し、5層の多層膜を調製した。
得られた試料について、フーリエ変換赤外吸収分光(FT-IR)測定、X線光電子分光(XPS)測定および原子間力顕微鏡(AFM)観察を行い、層状構造の形成の確認および凝集構造を評価した。
各段階におけるXPSスペクトルより、層数の増大に伴い、Si_<2p>およびO_<1s>、のピーク強度は低下し、C_<1s>およびN_<1s>のそれらは増大した。さらに、5層の多層膜のFT-IRスペクトルは、MDIとMDAを用いて合成したポリマーのそれと同様なスペクトルを示した。これらの結果より、モノマーの反応が進行し多層膜形成が形成されていることが明らかとなった。さらに、AFM観察では、3層までは平滑な表面形態を有していたが、5層では部分的な3次元化が観察された。この膜の秩序性の低下は、膜調製温度や溶液濃度を変化することで制御できると考えられる。
以上の結果より、化学吸着法により、二官能性を有するジイソシアネートおよびジアミンをシリコンウエハー上に段階的に形成させることで、多層膜を調製できることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Surface Structure and Properties of (Oligourethane with Fluoroalkyl End Groups/Polyurethane) Blend Thin Films2005

    • 著者名/発表者名
      M.Horiuchi, K.Kojio, M.Furukawa
    • 雑誌名

      Trans.Mater.Res.Soc.Japan 30(3)

      ページ: 635-638

  • [雑誌論文] Microphase-separated Structure and Mechanical Properties of Novel Polyurethane Elastomers Prepared with Ether Based Diisocyanate2005

    • 著者名/発表者名
      M.Furukawa, Y.Mitsui, T.Fukumaru, K.Kojio
    • 雑誌名

      Polymer 46(24)

      ページ: 10817-10822

  • [雑誌論文] Novel Properties of Polyurethane Elastomers Prepared with Ether-based Diisocyanate2005

    • 著者名/発表者名
      M.Furukawa, K.Kojio
    • 雑誌名

      PU MAGAZINE 2(2)

      ページ: 104-108

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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