研究概要 |
本研究の目的は,ポルフィリンを利用して2次元DNAグリッド構造を基板上に構築するための条件を明らかにし,そのための手法を確立することである。これによって,ジンクフィンガー・金属錯体を2次元の格子上の望む位置に自在に配列することができるようになる。具体的には、基盤となるDNAの2重鎖をポルフィリンと組み合わせて精密構築を行う。本年度は、このために、デザインされた塩基配列をもつ1重鎖DNAを、1)直接共有結合によって、2)オリゴペプチド核酸(PNA)を介して、テトラフェニルポルフィリンと結合し、次いで、相補的に二重鎖を解合させてDNA・ポルフィリングリッド構造をつくりあげるユニットの合成を行った。具体的には、まず、10塩基のDNA(GCGCAATTCGCG)の5'端を、リンカーをはさんでアミノ基で修飾し、これをテトラキス(p-カルボキシフェニル)ポルフィリン(TCPP)のカルボキシル基とカップリングによりユニットの合成と評価を行った。また、DNAの結合する数を変えたユニットについても合成を行った。また、2)については、PNAを結合するための、PNA鎖の自身の合成と、ポルフィリンへのカップリング条件の検討をおこなっている段階である。PNAダイマーの結合条件の詳細を確認しており、より長鎖PNAのカップリングについての検討を行う。この他に、DNAグリッド上に配列する予備段階として、金属錯体を結合したジンクフィンガーを2重鎖DNAへの複数配列できることを電気泳動などにより確認を行った。
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