研究課題
単層カーボンナノチューブ(SWNT)を混酸(塩酸+硝酸)で処理して約100-200nmに切断し、続けて塩化チオニルで処理することにより切断面にCOCl基を導入した。この切断したカーボンナノチューブ(SWNT-<COCl)_n)とポリエチレンイミン(PEI)のアミノ基(NH_2あるいはNH基)との反応により、修飾SWNTを合成した。SWNTは有機溶媒や水に不溶であるのに対して、修飾SWNTは極性有機溶媒や水に可溶となった。熱重量分析により、SWNTに修飾したPEIの割合を算出した。サイクリックボルタンメトリー測定により修飾SWNTはnドーピングを受けうることがわかった。さらに、修飾SWNTがn型導電体として機能していることを調べるために、p型導電性高分子との接合素子の構造について詳しく検討した。その結果、アルミニウム電極上に塗布した修飾SWNT上にポリアルキルチオフェン薄膜を形成させ、その上に水銀をのせて電極としたデバイスが電気的性質を調べるのに適していることが分かった。このデバイスが電気整流特性を示したことから、修飾SWNTがn型導電体として機能していることがわかった。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
J.Phys.Chem.B 109
ページ: 10605-10610
Chem.Lett.
ページ: 534-536