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2006 年度 実績報告書

界面活性剤を利用した安全性の高い安定な色素沈着治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16750167
研究機関新潟薬科大学

研究代表者

飯村 菜穂子  新潟薬科大学, 薬学部, 講師 (00232140)

キーワードハイドロキノン / 界面活性剤 / 分子錯体 / 美白 / X線
研究概要

皮膚科、形成外科等で皮膚疾患治療を目的として利用されているハイドロキノン(HQ)には酸素、光に対して不安定な性質がある。また皮膚刺激性も高く紅斑、かゆみ等が見られるケースがありその使用には十分な注意を要する。筆者が行う研究は、HQの美白効果は維持したまま高い安定、安全性を持つ美白剤の開発を主な目的としている。本研究では、それら確保のためHQと天然物由来界面活性剤(糖鎖界面活性剤)との分子錯体の獲得に努めた。分子錯体の生成確認は、主に紫外可視分光光度計、粉末X線回折装置を用いた。
糖鎖界面活性剤、n-Dodecyl-β-D-maltoside(DM)、n-Hexadecyl-β-D-maltoside(HM)、n-Octyl-β-D-glucopyranoside(OG)、n-Dodecyl-α-D-glucopyranoside(DG)、各々との間で分子錯体の生成が確認できた。また天然物由来界面活性剤の市販品が大変少ないことから自ら糖鎖界面活性剤の合成に努めたところ、様々な試験ができる量の獲得にはかなりの苦戦を強いられた。わずかな量ではあったが合成糖鎖界面活性剤との分子錯体生成を試みたが分子錯体結晶単離までは研究期間中に至らなかった。DM、DG、HM、OGとのHQ分子錯体のうち、比較的量を確保できたDM/HQ分子錯体を用いて30代女性ら、背部におけるヒトパッチテストを実施し、ICDRG判定基準に従い観察したところHQ単体では陽性反応が観察されたのに対し、DM/HQ分子錯体では陰性結果を得ることができた。以上の結果から天然由来界面活性剤との分子錯体形成を利用することで低刺激性の皮膚疾患治療薬開発を行うことができたと思われる。今後更なる工夫を施し、安定性高く副作用の少ない、皮膚疾患治療薬剤開発へと発展させたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Crystal Structure of Complex between Benzyl(decyl)dimethyl ammonium chloride and Hydroquinone2007

    • 著者名/発表者名
      Nahoko IIMURA
    • 雑誌名

      Analytical Sciences : X-ray Structure Analysis Online 23

      ページ: 19-20

  • [雑誌論文] 両親媒性物質との分子錯体形成を利用したハイドロキノン含有美白剤の開発と臨床的評価2006

    • 著者名/発表者名
      飯村 菜穂子
    • 雑誌名

      PHARM TECH JAPAN 22

      ページ: 163-170

  • [図書] 皮膚の抗老化最前線(アンチ・エイジングシリーズ)(No.2)2006

    • 著者名/発表者名
      飯村 菜穂子
    • 総ページ数
      231-246
    • 出版者
      (株)エヌ・ティー・エス

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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