回転型レオメータで、主鎖型高分子スメクチック液晶を種々の温度およびずり速度で変形させ、応力が一定となったところで、治具から取り外し、広角X線回折装置で配向状態を評価した。高温で高速のずり流動で層法線が速度勾配、流動方向の両方に垂直な垂直配向が得られ、低温で低速のずり流動で層法線が速度勾配方向にある平行配向が得られた。平行配向した試料を垂直配向する条件でずり流動させると、配向が垂直配向に変化した。またその逆に、垂直配向した試料を平行配向する条件でずり流動させると、配向が平行配向に変化した。平行配向試料にニュートラル方向から放射光X線を照射したところ、80オングストロームの面間隔を持つ散漫な散乱が速度勾配方向に現れた。ラメラの厚さは平行配向モノドメイン試料の力学応答から見積もられる値とほぼ一致している。平行配向は折りたたみ鎖ラメラの相互のすべりによるものである。それに対し、垂直配向は、スメクチック層内でのメソゲンの流動によるものであるとした。
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