研究概要 |
本研究は、CZ酸化物単結晶育成プロセスに関し、結晶・融液内輻射伝熱を厳密に評価可能な3次元非定常熱流動解析コードを開発し、固液界面形状の非軸対称性に及ぼす結晶・融液の吸収係数の影響を解明することを目的としている。本年度の成果を以下に述べる。 1.我々は前年度までに、CZ炉の2次元軸対称定常総合熱解析(炉内構成要素を全て含んだ解析。結晶内輻射伝熱も考慮。)コードと融液部のみを対象とした3次元非定常熱流動解析コードを統合し、3次元非定常融液内対流を考慮した効率的な総合熱解析モデルを開発済みであった。これは、本来ならば総合熱解析を3次元化するべきであるものを計算負荷の観点から融液部のみを3次元として扱ったものである。今回、統合した本コードを用いて解析を行い、小規模炉を対象とした検討を行った。その結果,小規模炉においても結晶回転速度が高くなると融液自由表面上温度分布にwave patternが生成することがわかった。 2.融液自由表面上の温度勾配に起因するマランゴニ対流と融液内輻射伝熱の相関について知見を得るため、2次元軸対称定常総合熱解析を行った。その結果、融液吸収係数が小さくなると融液自由表面上の温度勾配が小さくなりマランゴニ対流が抑制され、その結果結晶回転に起因する強制対流が発達しやすくなり固液界面の反転が起こりやすくなることがわかった。
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