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2005 年度 実績報告書

近藤効果を動作原理にもつ次世代超高速光磁気デバイスの基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16760013
研究機関広島大学

研究代表者

北川 二郎  広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助手 (90346528)

キーワード超高速光デバイス / 近藤効果 / テラヘルツ分光
研究概要

近藤物質の次世代超高速光デバイスへの応用可能性を探るために,光ポンプテラヘルツプローブ(OPTP)測定を中心に研究を行った.近藤半導体に適用して今年度得られた具体的な成果を以下に挙げる.
(1)光伝導アンテナのTHz電磁波放射効率を改善することは,OPTP測定系にて光ポンプ強度を十分に確保するために必要である.放射効率の改善には,アンテナパターンの光照射部分の電気容量が大きい方が有利である.そこで,電気容量を増やしたパターンとして,5μmギャップの間隔を二つ有するくし型アンテナを採用した.その結果,今までのパターンより2倍近い強度が得られることが分かった.
(2)ATR測定を固体試料に適用するときはプリズムとの接触が問題となる.屈折率整合剤を導入して接触を改善できるか試みたが,困難であるとわかった.従って現状では固体試料へのATR測定適用は断念した.
(3)YbB_<12>のOPTP測定を50Kまでの低温にて行った.測定配置は標準的な反射型分光にて行った.ギャップ形成温度より十分高温の200Kや,形成温度付近の50Kでも,光ポンプの有無による反射THz電磁波の違いは観測されなかった.
(4)CeRhAsに対してもギャップ形成温度より十分低温の30Kにて,同様の測定を行った.光ポンプのビーム系を1〜5mmまで変えながら,光ポンプの有無における反射電磁波を詳細に調べたが,違いは確認できなかった.
(5)YbB_<12>,CeRhAs共に,低温にて1.55eVのフェムト秒パルスレーザを照射してTHz電磁波が放射されるか試みたが,THz電磁波は観測されなかった.
以上の結果から,近藤物質への光ポンプの影響をTHz電磁波で調べるには,バランス検出等高感度な測定が必要であると結論できる.

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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