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2004 年度 実績報告書

ナノプラズモニック構造の設計と実証に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16760035
研究機関東京大学

研究代表者

田丸 博晴  東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (30292767)

キーワードプラズモニクス / 有限差分時間領域法(FDTD法) / 近接場光学 / 金属微粒子
研究概要

(1)数値計算システムの開発
有限差分時間領域(FDTD)法の計算システムの拡張開発を行った。実験によって観察可能な量である、散乱・消衰・吸収の各光学断面積について、これまでのスペクトル形状のみでなくその絶対値を計算するためのコード開発を行った。基本的なテストの結果、電磁場分布からこれら断面積を求める過程では現在の実験等を解析するための十分な精度が得られることが分かったため、これを用いて次項の数値計算を行った。
(2)網羅的計算による検証
FDTD法によって計算されるスペクトルは、これまで行ってきた実験をよく再現することが確認されてきたが、この計算法によってその絶対値を議論できるのかという問題を検討するため、解析解の存在する銀微小球について各種パラメータを振って網羅的な計算を行った。この結果、散乱断面積については比較的良い結果が得られるのに対し、吸収断面積については多くの条件で問題が生じるということが確認された。結果として消衰断面積は、共鳴のQ値が高くなるに従い吸収からの寄与が大きくなり、精度が悪くなるということが確認された。これまで、実験により検証してきた金ナノロッドなどの系では、観察量が主に散乱であり、また共鳴のQ値も10程度であったためこの問題が健在化しなかったものであるということが分かった。現在いくつかの解決法を検討している。
(3)試料系と測定系の開拓
上記計算系と比較するのに適当な実験を行うことができることを目的に、金ナノ粒子の配列試料の作製法を開拓した。この結果、粒子間の相互作用の無い状態から、強い相互作用のある領域まで連続的に変化する試料を比較的容易に作製できる目処がついた。観測方法についても、同じ試料について複数の光学的性質を測定し、散乱の様子を位相を含めて議論できる目処がついた。ただし、実験精度について解決するべき問題がいくつか存在し、現在改良を行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Pseudomorphic strain effect on the charge-orbital ordering pattern in Pr_<0.5>Sr_<0.5>MnO_3 epitaxial thin films2005

    • 著者名/発表者名
      荻本泰史, 田久保直子, 中村 優男, 田丸博晴, 和泉真, 宮野健次郎
    • 雑誌名

      Applied Physics Letters 86

      ページ: 112513

  • [雑誌論文] Strain-induced crossover of the metal-insulator transition in perovskite manganites2005

    • 著者名/発表者名
      荻本泰史, 中村 優男, 田久保直子, 田丸博晴, 和泉真, 宮野健次郎
    • 雑誌名

      Physical Review B 71

      ページ: 060403

  • [雑誌論文] Critical phase control of the charge-orbital ordered manganite thin films2005

    • 著者名/発表者名
      荻本泰史, 中村 優男, 田久保直子, 田丸博晴, 和泉真, 宮野健次郎
    • 雑誌名

      Thin Solid Films (印刷中)

  • [雑誌論文] 金属ナノ粒子の共鳴光散乱(研究紹介)2004

    • 著者名/発表者名
      田丸博晴, 桑田斉, 宮野健次郎
    • 雑誌名

      応用物理 73

      ページ: 768

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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