研究概要 |
本研究は,超広帯域な変調サイドバンド列生成技術と,超高速波面制御技術を融合し,擬似速度整合型電気光学位相変調器において入射光ビーム断面内の位相変調指数の空間分布を制御することにより,サイドバンド列の強度分布が一様な超広帯域光コムを生成するデバイスを創出することを目的としている.本年度に遂行した研究の結果得られた成果を以下に示す. 1.数値計算に基づく変調指数の空間分布形状の最適化 最適化のコードを独自に開発し,入射光ビームの空間強度分布を考慮したうえで変調指数の空間分布を決定した. 2.デバイスの試作 項目1で最適化した位相変調指数の空間分布から理論的に求まる分極反転形状を,電界印加法によりLiTaO3を基板として実現した.微細かつ複雑な分極反転形状を実現するために印加電圧のマルチパルス化を図り,リアルタイムで打ち込み電荷量がモニタ可能なシステムを新たに構築した.これには,本年度備品として購入したデジタルオシロスコープとコミュニケーションインターフェースが非常に役に立った. 3.基本動作の確認 所期の動作が得られることを確認した.変調周波数16.25GHzにおいて,1THz以上の±3dB帯域を有するフラット光コムの生成に世界で始めて成功した.ここで得られた成果の一部は,Springer Verlagから書籍"Ultrafast Phenomena XIV"の一部として出版され,Optics Lettersに掲載される.
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