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2004 年度 実績報告書

透明物質中でのピコ秒フォノン伝播の可視化

研究課題

研究課題/領域番号 16760044
研究機関北海道大学

研究代表者

友田 基信  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30344485)

キーワード超音波 / リアルタイムイメージング / ポンプ・プローブ法 / ピコ秒レーザー音響法 / 逆問題解析 / トモグラフィー
研究概要

物質内部のナノメートルスケールの局所的な物理性質を非破壊的に測定する方法として、レーザーピコ秒超音波法がある。この方法は、ポンプ光で試料に励起した超音波パルスの波形変化を、プローブ光で検出する技術である。検出には、ひずみによって試料表面近傍の光学的性質が変化することを利用しており、試料内部の物理的な変化を実時間で測定することが可能である。透明な試料に対して、プローブ光の反射率からひずみの空間分布を求めることが本研究の目的である。プローブ光の反射率の角度依存性・波長依存性からひずみの空間分布を求める測定を行う。測定にはフェムト秒レーザーによるポンプ・プローブ法を用いる。
本年度は反射率の角度依存性からひずみの空間分布を求める実験および解析手法を構築した。透明試料内でのひずみによる光の多重反射の問題を定式化し、ローマ大学の理論物理学者であるR.Li Voti博士の協力によって本問題における逆問題解析アルゴリズムを開発した。計算機による仮想実験により、予想されるひずみ分布から計算した反射率の角度依存性を用意し、それに測定誤差を加えたものを仮想的な実験データとする。その仮想的な実験データから、ひずみの空間分布を再現する測定角度の範囲や測定点の数、再構築しやすいひずみの周波数範囲などの最適な実験条件を探し出した。実験は、2色の光パルスを用いたポンプ・プローブ法で行った。ポンプ光により物質中に超音波パルスを励起・伝播させ、試料を回転させながらプローブ光の反射率を測定した。さらにポンプ光とプローブ光の照射時間差を走査することで、各時刻におけるデータ列を測定し、各時刻のひずみ分布を計算した。この実験データをもとに、初めて超音波パルスが固体中を伝播する様子を再構築することに成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Visualization of picosecond phonon strain pulses in a transparent medium2004

    • 著者名/発表者名
      M.Tomoda
    • 雑誌名

      11th international conference on Phonon Scattering in Condensed Matter, book of abstracts

      ページ: 177

  • [雑誌論文] 透明物質中を伝播するピコ秒超音波パルスのイメージング2004

    • 著者名/発表者名
      友田 基信
    • 雑誌名

      日本物理学会講演概要集第4分冊 第59巻第2号

      ページ: 850

  • [雑誌論文] Imaging of picosecond longitudinal acoustic pulses in a transparent medium2004

    • 著者名/発表者名
      Motonobu Tomoda
    • 雑誌名

      第25回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演論文集

      ページ: 241-242

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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